2010/02/17
■喜びの2乗

最近、電車の中でこんなキャッチコピーを見つけ、しげしげと眺め、しまいにはじーん…としてしまいました。

 小さなことを、心の底からよろこべる人。
 他人のことを、自分のことのようによろこべる人。
 そういう人は、そうでない人より、よろこぶ回数が多いし、
 そのぶん幸福な時間がふえる。

何て事はなく、ビールの広告です。折も折、楽器(箏)を持って、電車に乗り込んだ時にこのキャッチコピーが目に飛び込んできました。重い楽器を持ち「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし 急ぐべからず…by 家康」なんて思いつつ、息ぜいぜいしていたものですから、妙にこの心温まるキャッチコピーに惹かれました。

私は今とても大きな幸せに包まれていますが、周りの友人や先生から、この数ヶ月頂いた温かさというものもとても大きなものがあります。まるで自分の事のように喜んでくれたり、応援して下さったりと、本当にありがたいことだと思います!
ですから、自分自身もまずこのように在りたいな、という気持ちがより強くなりました。そういう心の在り方というのは、きっと音にも表れてくると思いますし…。

***

写真@ 生徒さんから頂いたハート!
写真A かわいいデザートプレート
写真B S小学校より頂きましたチューリップ

 

 

2010/02/05
■身近な音に・・・

先日、O小学校へ、和楽器紹介の授業で、箏と三味線の演奏をして参りました。こちらの学校の先生は大変熱心な方でいらして、なるべく「生の音を聴かせたい」という事にこだわっていらっしゃいます。私も、大きな声でこれに賛成したいと思います♪

今回は、私の所へ来てくださっている生徒さんにも頑張って頂き、お箏の二重奏も加えつつ、短いひとときでしたが、「ことしゃみアラカルト」な授業をやってまいりました。通常は、立奏台でやることが多いのですが、毛せんを我が家が持参し、少しそれらしくやってみました。とてもワイルドな(?)お子さん達が多い学校…などと伺っていたのですが、騒ぐこともなく1時間しっかりと聴いてくれて、授業後には、マルコメ味噌に出てくるような可愛いぐりぐり坊主たちがお箏にわぁーと群がり、お箏の絃をビンビン弾きまくるのでした。(弱冠、冷や汗かきつつ…)こうした、微笑ましい反応が何よりです。

お箏や三味線の音を身近に感じてもらうには、こうした草の根を掻き分けるような活動が一番大切だと思います。もちろん、自分達の音楽も求めつつ…。

写真@ 二重奏中 
写真A 三味線も「平ばち」「津山ばち」の二種の音色の違いに子供達は「へぇ〜…」
写真B 素敵な花かごを頂きました。いつもありがとうございます♪

 

 

2010/02/02
■情熱を燃やそう

先日、新潮会・勉強会にて「新ざらし」の本番が終了しました。お寒い中、ご来場くださった皆様、どうもありがとうございました。この場を借りて、御礼申し上げます。

思えば、私はこの芸大・山田流卒業生の勉強会で、出演する度にほぼ毎回、自分がその時に一番賭けたいと想っている曲(三絃ソロ「去来」/「盤渉調」/箏ソロで「陽炎の踊り」)といったにチャレンジしてきました。どれも技術を要するものですが、技術に溺れることなく「音色」を追求したいと思ってやってきました。邦楽の魅力はそれに尽き、邦楽を普段聴かない人でも楽しんでもらえる点はそこにあるのではと思っています。

今回は、特に思い入れの強かった「新ざらし」を同期と一緒に演奏することが出来、とても良い記念になりました。大体、「新潮」という言葉から分かりますように、山田流の神様とも言える中能島欣一先生が十八番中の十八番としていた作品を、その本拠地で賭けてしまう、というのは、もしかしたら、今の私にとっては分不相応のことなのかもしれませんが…、しかし、今やらなければ永遠に出来ない曲でもあるのでした。翌日は、体力がとりえの私にしては珍しく、体中がバキバキになり起き上がることが出来ませんでした。

この曲は私にとって情熱そのものです!お箏でも、三絃でも、何処に行っても弾き続けようと思います。昔の名人の「新ざらし」は凄まじかったとのことです。現在よりはるかに太い20〜22くらいの糸を使い、より太く厚い爪で、今よりずっと弾きにくいコンディションで、豊かな音色で弾いていたのだそうです。しかし、現在、女性の私たちが同じ事を真似ても、手を壊すだけで、比較することは前向きな考え方とは言えません。「現在」、女性で小柄な自分の体にあった奏法で一番良い音色が出せればそれでいいのだ…と思います。

終演後、見巧者ならぬ聴巧者のお客さまの一人が、「あなた、よく弾ききった!僕は、中能島先生のを聴いたことがあるから、あなたがどんなに頑張ったかわかるよ!!」と肩をバシ〜ッと叩きながら激励して下さったのが、とても嬉しかったです。

次は、吉原佐知子さんのリサイタルで、三絃で演奏させて頂きます。
「さらし」の舞台の京都で、演奏出来たらなぁという夢があります…♪

写真@ 夕陽も燃える〜 自宅近くにて
写真A デュプレ風〜(失礼しました)

 

 

2010/01/24
■戯れ〜12音技法の作品から

先日、現代邦楽研究所の15周年の記念コンサートにて松尾祐孝作曲の「七変化」という作品の三味線パートを演奏しました。先生にも直接ご指導頂いて、本番をドキドキしながら迎えることになりました。ご来場頂いた皆さま、ありがとうございました。

この曲の4、5章はバリバリの12音技法で書かれていて、特にお箏パートなどはかなり難しそうな様相を呈していました。ただ、私は個人的にこのような作品というのは非常に邦楽器の「おんしょく」に向いているなぁ、と思っています。正直なところ、12音技法の作品は生物の生理に合わないかも…という感を否めないのですが、一見(一聴?)外国語のような音の並びでも、邦楽器の余韻、倍音、音色の多様さがそれにリンクしてくると不思議な世界が広がり出します。ある意味、ピアノより、あえて「12音の音列を作る」というその意義を引き出せるのかもしれません…。

ところで、12音技法というとシェーンベルク→シェーンベルクを愛してやまなかったグールド、という流れになってしまうのですが、このグールドがヴァイオリニストのメニューインとシェーンベルクのソナタを弾いている映像がまた非常に楽しい!メニューインのほうはもともと乗り気でない様に見えるのですが、グールドはゴキゲンそのもの。しかし、そのデュオの絶妙なこと、素晴らしい!!の一言に尽きました。

私は、グールドというピアノ弾きが昔からとても好きで、ピアノとチェンバロの合いの子を作って喜んでいるあたり、グールドはおそらく『箏』の音色も好んでくれただろう、という変な確信を抱いています。
昨年の夏、グールドの足あとを巡る旅が出来、とても幸福でした。むし暑いトロントの広い墓地の中で、ひっそりと眠るグールドの墓標を発見した時の喜びは深いものがありました。音楽=自己、に充実である、というのが彼の生き方であったように思います。まるで音に戯れているかのようなその演奏は、ジャンルや時の隔たりを越えて今も私たちを音の世界へ一瞬にして誘ってくれます…。グールドさま、これからもよろしく。

写真@ グレン愛用のヤマハ トロント国立図書館にて
写真A グレン。初コンチェルトの舞台。
写真B 今は、CARLU になっている旧「イートン・オーディトリアム」
    ここで数々の名演奏が録音されました。
    いつか私もここで弾きたいなぁ〜!

 

 

2010/01/20
■CHANGE な年

2010年が年明けしてすでに20日になりました。年明け早々、様々な思い出があり、充実した新年を迎えることが出来ました。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

今年は、恐らく今までの人生の中で一番転機となる年になると思われます。様々な困難もあるかと思いますが、楽しみながら、良い形にしていけると堅く信じています。すでに、わくわくするような企画もいくつか持ち上がっていて夢が膨らんでいます。そんな“夢たち”に向かって、焦らず歩んでいきたい、と思います。

写真は、お正月に行った近くの動物園から〜。小動物系な私にとりまして、楽しすぎるひと時でした

写真@うさぎちゃん
うさぎのジャケットを着て、うさぎを抱くの図 うさこもドキドキ

写真Aカピバラ
妙に、なまめかしい湯上り美人なカピバラさんです。

写真Bオカピ
近くまで、ぴょんぴょんと近寄ってきます。

 

 

2009/12/31
■2009年の終わりに・・・

毎年、「今年は本当に恵まれた年でした」と締め括ってまいりましたが、今年は更に充実した年となりました。ひと月、ひと月ごとに、音楽面でも、チャレンジすべき大きな課題に恵まれました。常に、機会を頂くということは、本当に有り難いことですが、決してそれが当たり前と思ってはならない、と戒めております。

この度、12月25日に、音楽を通じて出会った方、玉木光さんと入籍をいたしました。玉木さんはアメリカ在住のチェリストで、私が昨年渡米し、Ft.Wayne市でのさくらまつりにて共演したのがきっかけで知り合いました。
心と音のハーモニーを大切に、2人で仲良く温かい家庭を築いてまいりたいと思います。

どうぞ今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

玉木 陽子 (木村 伶香能)

写真@ 婚約発表の翌日 in Chicago
写真A 7月4日七夕コンサートを終えて
写真B クリスマスのジンジャークッキーハウス
    「新居です」

 

 

2009/12/24
■Happy Holidays and A HAPPY NEW YEAR!!

一年は早いもので…、もうクリスマスです!今年も残すところ、あと1週間という事で、部屋中ひっくり返して大掃除を敢行しました。小学校時代のノート(ものすごく几帳面…)、ランドセル、中〜高のテストの山、通信簿(なんと懐かしい響き…)、出てくる出てくる昔のごまおアイテム。両親に色んな所に連れて行ってもらったお土産も沢山あり、やはり捨てられない物も多いのでした。今回の大掃除は、かなり徹底したものでしたので、まるで自分のタイムカプセルを覗いている様な、そんな錯覚を覚えるほどでした。全く、教科書にしても、今覗けば随分と広範囲に義務教育されていたのだな…と思います。勉強したはずの事を全記憶に留めておけたら、随分世の中違って見えるのかもしれませんが、たとえ忘れてしまっていても、何かひとなでした…そんな積み重ねがその人を形成するのだろうなぁ…等としみじみ考えてしまいました。

一年は早いものなので…1ヶ月は、更なり、です。
一ヵ月後にある演奏会のご紹介をさせて頂き、本日の日記の締め括りとします。

1月25日(月)新潮会 勉強会
場所・東京証券会館ホール
曲目・「新ざらし」 箏  木村伶香能
          三絃 山木七重

この曲は、私にとってずっと弾き続けたい曲です。今回の演奏で、自分の中でなんらかの一里塚をたてられたら…と思っております。新年に本当に「新」たな気持ちで弾きたいです!

Happy Holidays and A HAPPY NEW YEAR!!

 

 

2009/12/14
■NHK-FM 放送のお知らせ

先週の録画に引き続き、今日はNHKにて、ラジオの収録に行って参りました。洗足音大の西潟先生にお声をかけて頂きました。現代曲ばかりか古典の真剣勝負の場も頂けて本当に有り難いことです。
昨日は、同期のさくらこと、山木七重ちゃんのライブでもありましたし(「新ざらし」)、ここの所ずーっと糸がピンと張り詰めている様な気持ちでした。人間、弛緩も必要だ〜(っていつもユルンデルヨウニ見えるよ〜と言われそうです)

本日の曲目は、「松風」でした。山田流の名曲です。大学の受験曲でもあったまさにおもひでの曲。この曲は、調子替えが曲中に3回出てくるので(本調子ー三下りー本調子ー二上り)なかなか大変です。私の心の友・グールドなら「Take2!」と言ったところでしょうが、今日はとどのつまりワンテイクのみでした。少し悔やまれる所もあるのですが…。 素敵な曲ですので、普段お箏や三味線を聴かない方も、ラジオをオンしてもらえたら嬉しいです。更に、ご忌憚のないご感想、ご意見なども頂けたら幸いです。

放送は、12月21日(月)午前11時から〜 (再放送)翌日午前5:20〜
NHK-FM 「邦楽のひととき」 
    曲目 「松風」(中能島松声作曲)
       箏  西潟昭子
          橋本芳子
       三絃 木村陽子
       尺八 山口賢治 

写真@ 表参道ならぬ洗足のイルミネーション 
写真A 最近、気づいた(気づくのが遅い!)我が家から車で10分くらいところにある、美味しい〜ケーキ屋さん。モン・プレジュール

 

 

2009/12/08
■伝統音楽デジタルライブラリー

音楽は「生もの・水もの」ーなので、本当ならば同じ空気の中で聴いて頂くのが一番良いのかなぁ、と思いますが、デジタルの力を借りることにより、なんとなく近寄りがたいところを近寄ってもらえる、というのは素晴らしいことだと思います。私の大好きな市川団十郎さんもHPの立ち上げに際し、同じような事を仰っており、大きく頷いたものでした。

…と前置き。昨日、「伝統音楽デジタルライブラリー」の録画撮りを終了しました。昨年に引き続き、2回目。あんまり出来に満足出来ていなかった為、ご紹介もしなかったけれど、せっかくなのでこの場を借りてご紹介させて頂きます
今回、収録したのは、古典曲の「江ノ島曲」と「赤壁賦」。録音も非常に緊張を強いられるものですが、録画はそれ以上でした。録音でしたら、万が一の時には繋げることも出来るけれど、録画はミスったら、最初からやり直し〜。まして、共演の方と一緒の時には、自分のせいでもう一度弾かせてしまうことになるので、その緊張感たるや本番の舞台以上かも…。しかも、古典曲は楽譜を置きませんので、常に半歩先を追いかけて、音に集中して…とコンクールのような心持ちでした。
そんな訳なので、編集終ったら皆さん見てね〜

さしあたり、昨年収録した、「盤渉調」「松風」「さらし」とアンサンブル「雅俗四響」(和田薫作曲)のサイトです。
http://www.senzoku-online.jp/traditional/02_shamisen.html
http://www.senzoku-online.jp/traditional/play_99.php?id=p01

録画だったら、ごまあざらしが懐かしくなったら(?)いつでも見れますので、たまに覗いてみてくださいませ〜。

 

 

2009/11/28
■「いぶし銀」が好き

先だって、シカゴへ行った折、「せっかくなので、ジャズを聴きたい〜!」という事で、シンフォニーホールにて、Dave Holland のコンサートを楽しんできました。マイルスが「お前、やるなぁ〜、俺様のところに来いよ」と言ったらしく、イギリス出身なのだそうです。もう、耳を疑いたくなるような絶妙なアドリブで、その力の抜き差しの自在なこと!真にいぶし銀の芸でした。しかし、前々から思っていたけれど、折り紙つきのジャズミュージシャンのやっている事って、ほんとにスゴイ!もぅ、口あんぐりで音の渦に身を任せました。

しかし、そうしてふり返るとつくづく、欣一先生の「新ざらし」のアドリブの真のすごさ、も感じます。音色やタイミング、すべてがここしかあり得ないというところへ。

とどのつまり、私は熟した「いぶし銀」の芸が好きなのでした。

明日は、洗足にて冬の音楽祭。学生も講師も一同「アドリブ」回しをする曲があります。とてもとても、…∞次元の違う話ではありますが、楽しい雰囲気が伝わればよいなぁ、と思います。ぜひ、お運び下さいませ。

11月29日(日)邦楽コンサート (洗足・講堂)
http://www.senzoku-concert.jp/concert/?concert_id=105

写真@Dave熱演中

 

 

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